自分の子どもにすすめたい本
みなさんは親から本をすすめられたことがありますか?
私は1冊だけ、母からすすめられた本があります。
『ああ、無情』
この名前でぴんとくる方は少ないかもしれませんが、『レ・ミゼラブル』という名前ならご存じの方も多いのではないでしょうか。
中学時代に上下巻ある何ページあるんだ?と分厚い本を図書室から借り、読み始めた途端物語の世界に引き込まれ、ページをめくるのを止めることができず、家族が寝静まった中隠れて読み続けました。
もし自分に子どもができたら、あの感動を一度味わってほしいな、と思っています。
(読書だけに関わらず、スポーツや芸術、そしてゲーム。夢中になれるというのはとても良いことだと思います。)
今回のブログは、
もし私が母と同じように子どもに本をすすめるなら……これをおすすめするという本2冊を紹介します。
まず、1冊目。
これは子どもというより、娘ができたら読ませたいなと思う本。
それは皆さんご存知の『赤毛のアン』です。
- 作者: ルーシー・モード・モンゴメリ,Lucy Maud Montgomery,村岡花子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/02/26
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私は小学生3年生の時にこの本に出会いました。
大人になってからこの本を読むのもとても素敵ですが、やはり少女時代に想像力豊かでチャーミングなアンに出会い、彼女が名づけた「輝く湖水」、「恋人の小路」、「お化けの森」を自分の想像を広げて読んで欲しいなと思います。
有名な児童文学の一つですが、意外にも『赤毛のアン』に続編があることを知らない人が多いです。
アン・ブックと呼ばれる9冊の本とアンの周りの人々についての短編集2冊が出版されていますが、私はなかでも『アンの青春』、『アンの愛情』がとても好きでした。
- 作者: ルーシー・モード・モンゴメリ,Lucy Maud Montgomery,村岡花子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/02/26
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『アンの青春』はアンが成長していく様子が彼女を取り巻く人々からわかりますし(双子のデイビーとドーラや教え子のポールがとてもかわいくて)、
アンの大学生活や恋愛、社交について描かれた『アンの愛情』はアンの恋愛模様にどきどきしました。(ギルバートではなく、ロイという男性とお付き合いしたり)
『アンの青春』、『アンの愛情』の物語の終盤がとても好きで、一つずつ大人になっていくアン達が本当にいとおしいです。
登場人物としては
特にアンの赤毛をからかう(後の夫になる)ギルバート・ブライスとアンを引き取る養父マシュー・カスバートが大好きでした。
赤毛のアンシリーズを読んで
マシューのアンに対する愛情に感動してほしいなと思いますし、
ギルバートのアンに対する恋心ににやにやしてほしいなとも思います。
もし娘ができたら、おうちの本棚にそっと置いておきたい1冊です……。
2冊目は『ハリーポッターと賢者の石』です。
- 作者: J.K.ローリング,J.K.Rowling,松岡佑子
- 出版社/メーカー: 静山社
- 発売日: 1999/12/01
- メディア: ハードカバー
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只今、映画館でハリーポッターシリーズのスピンオフシリーズ『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が公開されていますね。
(小学生の頃、主人公ニュートが著した(設定の)教科書『幻の動物とその生息地』を買ってもらいました。このシリーズの映画化が決まったとき、とても懐かしい気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいになりました。)
ハリポタファンからするとファンタビもかなり面白いですが、やっぱりハリーポッターシリーズ1作目をぜひ読んでほしいです。
『ハリーポッターと賢者の石』は魔法使いたちの世界をとても魅力的に描かれていて、小学生(ハリーと同じ年代10歳や11歳がいいかも)でこの本を読むと、本を読んで想像する楽しさやハリー達と一緒にどきどきする楽しさを経験できると思います。
こんな長い文章なんて読めないと思う場合は
映画を一緒に観て、少しずつ本を読み進めていくのが効果的かなと思います。
(映像が頭に入っているととても本が読みやすくなります。私の場合映画を見た後に父が読み聞かせをしてくれたのですが、途中で読み聞かせをやめてしまい、続きが気になって気になって必死に知らない漢字と格闘しながら読み、本を読む楽しさを知りました。)
もし私が子どもと読むなら、本を読んだ後に物語で出てくるお菓子を考えてつくったり、買ったりして食べてみるのもいいかもしれないな、と思っています。
誰もが知っている児童文学のベストセラー2冊を私が自分の子どもにすすめたい本として紹介しました。
ハリーポッターシリーズは私の年代だとかなりの人が読んでいますが、出版されて20年近く経ち、読んでいる子は昔ほど多くないので、今の小学生にぜひ読んでほしいなと思います。
主人公の年齢と同年代で読むと、物語へ没入しやすくなりますし、主人公に共感して楽しく読めると思うので……。
また自分の子どもにもそのわくわくを味わってほしいです。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
もしも子どもがいたらと私の想像力を働かせて書きましたので、中身のない文章になってしまいましたが、ご容赦ください。
月組エリザベートを観劇して②
なんと、本日東宝から
2019年 帝国劇場でミュージカル 『 エリザベート』の上演決定のニュースが!!!
そして、主演のエリザベートを
前回公演から引き続き花總まりさんと
先月、宝塚歌劇団を退団したばかり(つい最近までエリザベートを演じていた)
月組 トップ娘役 愛希れいかさんが演じられると発表されました。
正直、版権の関係で
2018年に宝塚歌劇団でエリザベートを上演=2019年に東宝でもエリザベートを上演するのではないかな、と考えていました。
そして、もし2019年に『エリザベート』を帝国劇場で上演するならば
愛希れいかさん以外いないな、と思っていました。(タイミングとして、今上演するなら愛希さんが勢いといい、ドンピシャだと思いました)
なので、思ったより驚きも、衝撃もうけなかったのですが
宝塚歌劇団でエリザベートを独占してしまっている気がして宝塚歌劇のファンではない方はどう思っているのだろうと不安になってしまったり……
エリザベートという素晴らしいミュージカルのキャストを宝塚歌劇団のOGでうめてしまっていいのか、と思ってしまったり……していました。
愛希れいかさんが再びエリザベートを帝国劇場で演じることはとても嬉しく、楽しみなのですが、やっぱり、新妻聖子さんや知念里奈さんが演じるエリザベートも観てみたいです。(FMS歌謡祭すごかった)
もやもやした話を綴ってしまい、申し訳ありません。
どうせ、公演するなら観劇した皆様から素晴らしかったね!と褒めて頂けるミュージカルを。
そして、それをきっと愛希さんなら出来るはず!!!と信じて
宝塚歌劇団で公演したエリザベートとまた違ったアプローチでの主役エリザベートを演じる愛希さんを楽しみに待ちたいと思います
前置きが長くなりすみません。
それでは、先日投稿した月組 エリザベート観劇の感想を綴りたいと思います。
前回はフランツ・ヨーゼフ1世が好きすぎて、フランツ・ヨーゼフ1世を演じた美弥るりかさんの演技について熱く、そして長く綴ってしまったのですが、
今回はエリザベート暗殺犯 ルキーニを演じた月城かなとさんと
ラウシャーを演じた、月組のベビーフェイス 千海 華蘭さんについて書きたいと思います。
文章が長くなりますが、もしよろしければお付き合いください。
まず、暗殺者ルキーニを演じた 月城かなとさん。
物語の狂言回しの役を担っています。
癖のある話し方でもなく、今までの宝塚歌劇団で上演されたエリザベートのルキーニとしては地味、おとなしい役作りでした。
ただ、それはルキーニの二面性をとても表しており、一見普通に見える青年に狂気が秘められており、その狂気は最後のエリザベート暗殺のシーンで放出され、とても二面性の強いルキーニだったと思います。
実際のルキーニは恵まれない家庭で育ったにも関わらず、幼いころから優秀、大人になってからも有能な兵士だったとのことで、一見地味に感じるのはその部分を重視した演技だったからではないかと考えました。
(しかし、下手で話していないときは爪をずっと噛んでいたので、人前に出ないときに現れる癖でルキーニの情緒不安定さ、苛立ちを表現していたのかなと思います。)
特に印象に残っているは第1幕第16場 ウィーンの街頭。
有名な「ミルク」の場面で、ルキーニが飢えた民衆にミルクの配給するシーンです。
民衆がミルクがないことを詰ると「ないものはないんだ!!」と月城ルキーニは驚くほどの声で怒鳴りつけます。
私が知っていたこれまでの宝塚歌劇団で上演されたルキーニはこのセリフを民衆に対して茶化したり、「仕方ないだろ?ないものはないんだからさ……」というような印象を受ける、ミルク不足を他人事に感じていたのに対し、
月城さんの場合「ミルクが欲しいって!?!?!ないものはないのにどうしろっていうんだ!!!」という感じで、ミルク不足を自分事にとらえた演じ方だったと思います。
実際のルキーニは、働きもせず、国民の税金で豪華に暮らす王族を激しく憎んでいたそうなので、皇后の役目を拒否し、妻として母としての役目を放棄したエリザベートは憎悪の対象に入り、ミルク不足の問題も他人ごとではなく自分の出来事の一つとして扱ったのではないかと考えました。
また、第1幕第5場で、クリミア戦争の情勢について、革命の鎮圧に手を貸してくれたロシア側について参戦すべきと進言を受けるも、戦争に対して中立の立場を取り、
母ゾフィーの「幸運なオーストリアは結婚を」と縁談に向かうシーンではルキーニは舞台下手ですこぶる悪い笑顔であざ笑っていました。
月城さんは目をむく、にらみつける等 目の演技がとても多く、特にエリザベートとフランツに対して多く見られたように感じました。
民衆の持つ問題を共に抱え、考えるルキーニだったと思います。
とても新鮮でおもしろいルキーニでした。
次に千海 華蘭さん演じるラウシャー。
時間の経過とともに老いていく演技がとても素晴らしかったです。
第2幕第6場なんて、いつ亡くなってもおかしくないくらいよぼよぼで、芝居技巧者だと感じました。
特に千海さんのラウシャーが素晴らしかったのは、終始エリザベートに対して敵視を抱いていたところです。
第2幕第3場のゾフィーに娼婦の宅配の許可を受け、一旦下手袖にはけるときの顔が本当に恐ろしくて……。
何の感情も持たないような……。
舞台からはける最後まで演技を続けられているのだな、と当たり前のことかもしれませんが、本当に感動しました。
観劇から時間が経ち、私の記憶と憶測で感想を書いてしまっているので、事実と多少異なるところがあるかもしれませんが月組エリザベートとても面白かったです。
こんなエリザベートもできるんだよ、と芝居の月組から言われた気がします。
続きが読みたくて、でも読めない本
続きが読みたくて、でも読めない本はありますか?
読みたいのに読めない……。
私にとってそれは作者が執筆途中に亡くなってしまった未完の小説以外今のところありません。
未完の小説以外でそんな複雑な本にこれからの人生で出会うことになるかはわかりませんが、もしそんな本があるという方がいらっしゃったら、是非その話を聞いてみたいです。
今回のブログは私の続きが読みたくて、でも読めない本を1つ紹介します。
初めて金色夜叉を知ったのは、小学生のときで漫画のなかでした。
確かサザエさんだったと思います。
男性(貫一)が女性(お宮)を下駄で蹴り飛ばすという金色夜叉の有名な場面を真似をしている様子が描かれており、漫画の話はほのぼのしていましたが一体何を真似しているんだ?と強烈に印象に残りました。
月日が経ち、中学校の国語便覧の中でその場面の挿絵を見つけ、作品名を知りました。
金色夜叉〈こんじきやしゃ〉
カッコいい名前だと思いつつも、手は伸びず。
ようやく読んだのは高校生のとき。
入学時に買ってもらった電子辞書で文学作品が読めることに気づき、収録されている文学作品の名前に『金色夜叉』を見つけ、読んでみることにしました(世界史の時間に……先生ごめんなさい)。
作者である尾崎紅葉が亡くなり未完であることを知りながら読んだのにも関わらず、尾崎紅葉が完結できず亡くなったことに、ただひたすらショックを受けました……。
尾崎紅葉の文章がとても綺麗で読みやすく、そして話がわかりやすかったので100年以上前に書いた作品とは思えず、とても感動したこと覚えています。
当時文学について詳しく学んでいたわけでもないので(そして今もです)、小説を読み、ただ面白かった……そして続きがないのが辛いという感想を持ったというだけの話なので、オチも何もないブログで大変申し訳ありません。
ただ、今回ブログを書くにあたって『金色夜叉』、そして作者である尾崎紅葉について調べました。(恥ずかしながら、尾崎紅葉ついては名前ぐらいしか知らず)
そこで初めて『金色夜叉』の種本がバーサ・クレイの『女より弱きもの』であること、三島由紀夫がこの小説について評していることや、小説もとになった出来事、小説メモなどを知りました。
簡単にインターネットで情報を知ることができる今ですが(上記の事柄についてはウィキペディアに書いてある)、それらの文献について目を通し、再びを本を読めば新たな発見や魅力に気づくことができるのではないか、とわくわくしています。
読書はただ文章を読み、その世界に没入していくこともよいですが、作者や当時の情勢を踏まえて読み、その意図について考えて読むのもまたよいと思います。
私はどちらかというと、前者で本を読むことが多いのですが、
大人になった今、この金色夜叉に関しては
種本やこの作品についての評論を読み、再読して高校時代と違う視点から、そして同じように未完の作品であることを憂いたいなあと思います。
Reading Challenge 2019
愛読しているトーキョーブックガールさんのブログで紹介されていたReading Challenge。
ブログを読んだときに是非ともやりたい!と思ったのですが、2018年に目標をたてることができなかったので、年が明ける前に(またたてずに終わる前に)2019年のReading Challengeをたてようと思います。
初めはReading Challengeを100個考えようと思ったのですが、
1年で目標100個を達成することは今の現状だとかなり厳しく、達成することが目標になってしまい、読書を純粋に楽しめなくなるのではないかと不安に感じたので、
2019年は15個の目標を達成することを目標に取り組んでみようと思います。
私の2019年のReading Challengeは以下のとおり。
1.海外の詩を読む
2.フランス文学を読む。
3.まだ読んだことのない世界の名作を10冊読む
5.ハプスブルク家に関した本を読む
6.日本の古典文学を読む
7.SF作品を読む
8.タイトルに食べ物の名前が入った作品を読む
9.絵画に関する本を読む
10.仕事に関する本を読む
11.芸能人が書いた本を読む
12.舞台や映画の原作を読む
13.学生時代に読み、感動した本を読む
14.芥川受賞作品を読む
15.2019年のヒット作品を読む
特に説明したい目標は2つ。
12.舞台や映画の原作を読むをいれたのは、これだけは絶対に達成できると考えたからです。(1つ達成できるものがあると読書へのモチベーションが上がりそう……)
今のところ、中学時代、チョコレートを食べながら父のベッドの上で読んだアンナ・カレーニナをまた読みたいです。(江國香織の作品で主人公がチョコレートを食べながらアンナ・カレーニナを読んでいたので、真似して読んでいた。)
加えて、3月から宝塚歌劇で公演される『夢現無双』の原作 吉川英治の「宮本武蔵」を読みたいです。(お気づきかと思いますが、私は宝塚歌劇団の5つの組のなかで月組が特に好ききで、ついつい月組公演なら!と観劇に行ってしまいます。)
11.芸能人が書いた本を読むは自分が芸能人が書いた本を読むことに苦手意識を持っているからです。
二足わらじで書いているのでは?やこれなら自分でも書くことができるのでは?と思っていた時期がありました。
今、思えばなんとおこがましいことを思っていたんだろうと、過去の自分を叱りたい……。
けれど、いまだに芸能人が書いた本は苦手です。その意識を変えたいなと思い、目標にしました。
本を読む時間を作ることを意識しながら15個の目標を達成できるように、2019年を過ごしていきたいと思います。
今は残り僅かの2018年を大切に、楽しみながら読書するつもりです。
月組エリザベートを観劇して……
今日、とても驚いたニュースを目にしました。
ミュージカル エリザベートが映画化企画中。
かなり驚きました。
ミュージカルが好きな方にはとっても有名な作品ですが、これで『オペラ座の怪人』や『レ・ミゼラブル』のように誰もが知るミュージカル作品になるのか……。
本当に映画が公開されたら、さらにミュージカルのチケットがとれなくなりそうで、不安です……。
楽曲が素晴らしいこの作品。
映画にしても、満足感たっぷりの素晴らしい作品になると思うのですが、史実が基になっているミュージカルなのであまりイメージがわかないです。
そして、『トート(死)』をどう映画に登場させるか……。
気になります……。
まだ企画の段階なので、今からわくわくしても早すぎるのですが、良いニュースを再び聞くことができるように祈りたいと思います!!
今日は1か月ほど前に観劇した月組 エリザベートについて綴ります。
既に記憶が薄れつつあるのですが、これ以上観劇の感動を忘れないように記録に残すことにしました。
ミュージカル エリザベートはオーストリア=ハンガリー帝国の皇妃 エリザベートの人生をミュージカル化したものです。
宝塚歌劇では、トップスターという独自の制度?があるので、『トート(エリザベートにつきまとう死)』が主役になった、宝塚版のエリザベートが公演されています。
宝塚歌劇団ではこのエリザベートという作品の公演は今回で10回目となります。
かなりの人気演目で公演されるたびにチケットがとれないことで有名で、土日の東京宝塚劇場のチケットなんて絶対にとれないと思っていたのですが、プレイガイドの抽選があたり、無事観劇することができました。
そのうえ席がかなり前方の下手で、演者の熱量をひしひしと感じることができました。
舞台を観劇しての感想ですが、
花組のエリザベートがミュージカルらしいエリザベートだったとするのなら、月組のエリザベートは芝居のエリザベートでした。(といっても、宝塚歌劇団創立100周年以降に宝塚歌劇にはまったので、実際に客席からエリザベートを観たのは今回が初めて。)
ルキー二の劇中の言葉を借りるなら『エリザベートが生きた時代の連中』を月組は細かく丁寧に作り上げていたように感じます。
〇〇の男や〇〇の女のように名前がついていない役にもそれぞれの人物描写、考え、歴史が見えたように感じました。
個人的にぞっとしたのは第2幕第15場 エピローグ。
きよら羽龍ちゃんが演じる男の子が通行の男、通行の女に鳥が羽ばたいているとジェスチャーで伝える様子。
劇中で私が踊る時という歌で死であるトートがエリザベートに対して「かもめよ」と呼びかける部分があります。
史実として、エリザベート自作の詩にも、かもめが登場します。テレビ番組で知ったことですのでうろ覚えですが、自由をテーマにした詩だったような気がします。
このかもめがエリザベートにとって自由の象徴であり、ミュージカルエリザベートにとっては自由=死なので、男の子が通行人に伝えているジェスチャーによって、これからエリザベートに起きることを表しているのではないか……と。
この演技は今までの宝塚で上演されたエリザベートにあったシーンなのか、とても気になっています。
主なキャストについての感想ですが、トップスター 珠城 りょうさん演じるトートですが、思っていた以上に似合っていました!
ゆるくウェーブした金色の長い髪に青と緑のメッシュが入ったヘアスタイル、真っ白なお顔とかなり個性的なビジュアルでしたが、とても様になって新たなトート像を作り上げていたと思います。
今回の公演で退団した愛希れいかさんのエリザベートはエリザベートの負の部分をしっかり表現しながらも(自己愛が強く、人を信じられない)自立した進歩的な女性として好演していたと思います。
第1幕第11場で歌うわたしだけには圧巻でした。
感動しました。
ただ感動したという言葉につきます。
美弥るりかさんのフランツ(皇帝フランツ・ヨーゼフ1世)はエリザベートをとても愛している様子が伝わりました。
エリザベートが亡くなったとき、フランツが「わたしがシシー(エリザベートの愛称)をどれほど愛したか、そなたにはわかるまい」と嘆き、
「この世はどこまで余を苦しめれば気が済むのか」と泣き崩れたらしいと知っていたので
フランツの役作りがエリザベートをとても愛しているフランツだといいなと思っていました。
美弥さんのフランツがフランツのエリザベートへの愛がとても表現されたものだったので、嬉しかったです。
そして、心に刺さりました。
フランツ・ヨーゼフ1世については調べれば調べるほど興味深い人物だと思うので、ぜひその人生について記したものを読みたいと思っています。
エリザベートに出会い、恋に落ち、結婚を決める第1幕第11場の「好きだ」とエリザベートに語りかけるところに胸がときめきました。
身分違いでも、今後の生活がどんなに困難で不安があるものでも、あんな風に愛をささやかれたら誰でも結婚すると思います。
あの場面で胸をときめかせた女性はどれくらいるだろうか。(山ほどいる)
有名な鏡の間で、エリザベートが「陛下とともに歩んで参ります。」と告げたときの美弥さんの表情がとてもよかったです。
何とも言えない表情でした……。
フランツにとって母と妻の板挟みのなかで、苦渋の決断で母を選ばず妻を選んだというシーンなのですが、皇帝として育てた母を裏切っても、エリザベートの愛を選んだというシーンでこれから共に歩んでいく未来に期待している様子がわかり、この後の結末を知っている身からするととても切なかったです。
フランツ・ヨーゼフ1世が好きすぎて、ついつい長文になってしまいました。
まだ、月城かなとさんのルキーニ、そして千海華蘭さんのラウシャーについて綴りたいので、次回少しですが月組エリザベートの感想を綴ろうと思います。
長々とまとまりのない文章ですみませんでした。
読んでいただき、ありがとうございます♡
2018年を振り返って
2018年もあと20日ほど。
あっという間に、また1年が過ぎるなあ……。
ふと、こんな記事を書いていたことを思い出し、2018年を振り返ってみました。
全然、 仕事の目標を達成できていないことを愕然としました。
本当に何していたんだ、この1年間……。
2019年はキャリアアップを目指して、パソコンの資格と秘書検定をとりたいと思います。
(まず、秘書検定受験の申し込みをすることが目標かもしれない)
仕事の目標とは打って変わって、プライベートの目標(ミュージカル)はほぼ達成しました。
観に行きたい!!と考えていた5作品のうち以下の4作品を観劇することができました。
『1789』
『カンパニー/BADDY』
『THE LAST PARTY ~S.Fitzgerald's last day~』
『エリザベート』
どれも見ごたえたっぷりで、観に行ってよかったなあと思うものばかりでした。
加えて、
『凱旋門/Gato Bonito!!』
『愛聖女 サントダムール』
も観劇することができました~。
まだ、感想を綴っていないものについてはぼちぼち綴っていきたいと思います。
ミュージカルや舞台はその時を逃せば、もう同じメンバーで見られないものばかりなので、観に行きたい!と思ったら観に行ったほうがいいというのが私の持論ですが、計画的にというか、強行突破で観に行っている感じが否めないので、反省しています。
来年は観劇する演目を吟味して、日常と観劇をバランスよく維持していきたいと思います。
趣味への散財のための節約は引き続き、目標として継続し、ライフワークバランスの【ワーク】をもう少し意識して、2019年は過ごしていきたいと思います。
同じく趣味の読書については、以前より多く本を読むことができました。
ただ、たくさん読めたか?新しい世界が広がったか?と聞かれると、微妙な感じです。
リーディングチャレンジをたてられなかったことが残念だったので、今年の年末までに2019年のリーディングチャレンジの目標100個を考えてみます!
2019年まであとわずか。
ゆったりとしつつも、あと20日でできることを一生懸命頑張りたいと思います。
2018年前半観劇感想③
社会人になってから、時が経つのが本当に速い、(皆さんいつ家事しているんだ……)と思うことが多いのですが、この12月は師走という名前の通り、さらに時間の速さを感じることになりそうです。
それでは、早速
2018年前半に観た宝塚歌劇団月組公演 ショー BADDYについて早速語りたいと思います!!!!
正直、
ショー『BADDY』の衝撃が強すぎて、1幕の劇 カンパニーの記憶が吹っ飛びました……。(カンパニーに備えて、原作も読んでいたのに感想が少ないのはBADDYのせい)
演出家の上田久美子先生の作品が好きで、演目が発表されてから絶対観に行きたいと思っていたのですが、想像の斜め上をいく作品でした。
ただ、ただ、衝撃的でした。
宝塚歌劇では珍しいストーリー仕立てのショーだったのですが、珍しいといっても『ノバ・ボサノバ』等があるので解説を読んだときはここまで衝撃を受けるとは思っていませんでした。
まず、演者のヴィジュアルがまるでアニメに出てきそうなくらいファンシー。
とにかくみて頂きたい。
魔法少女のような捜査官グッディ、ジェンダーフリーな長髪の怪盗スイートハート、重力に逆らった髪型のグッディの仕事仲間の眼鏡くんポッキー、そしてまさかの宇宙人。
主役の大悪党バッディが一番普通かもしれないです……。(女性がするにはかなりの短髪ですが)
そして、衣装も絶妙な加減でかわいい。
色彩が鮮やか。
どの衣装も素敵でとても目の保養でした♡(特にトップ娘役が演じるグッディのお衣装はかわいいものばかりでした。一番初めのもふもふのスカートがかわいかった。)
いつか、上田先生でクラシカルなショーの演出も見てみたいです。(どんなお衣装になるのか見てみたい)
そして何より印象に残ったのは、怒りのロケットとパレードでしょうか……。
ロケット(ラインダンス)は掛け声をかけつつ、いつも笑顔で行うものとイメージがありましたが、そのイメージを破り、怒りの表情で、思い、感情を叫び歌い続ける。
迫力がありました。
このようなラインダンスの在り方もあるのだな……、と目から鱗でした。
印象に残ったもう一つ、パレード。
宝塚歌劇では2幕の終わりにパレードがあります。
このパレードとは、あの宝塚といえば!!の大きな羽を背負って大階段から降りてくることです。
今回のショーではこの羽を天使の羽に見立てています。
(パレードはストーリーのなかで登場人物全員が爆発に巻き込まれて死んでしまい、天国に行ったあとという位置づけになっています。ここだけ読むと、かなりぶっ飛んだショーですよね……)
さすが、羽を背負うことにも理由を求めるのか上田先生と驚きました。
従来の宝塚のショーの構成は崩さず(銀橋を渡る中詰め、ラインダンス、デュエットダンス、パレード)、けれども宝塚らしくはない、なかなかの冒険作でした。
観劇後、友達とずっとBADDYについて語っていました。
衝撃的で中毒的なショーです。
上田久美子先生の初めてのショー作品ということでかなり楽しみにしていたのですが、想像以上に奇抜で驚きました。
上田久美子先生は今までミュージカルの脚本、演出をされていましたので、BADDYが初めて手がけたショー作品となります。上田先生のミュージカル作品はどれもストーリーに破綻がなく、最後に少し寂しい気持ちになります。ただ、その寂しさがとても美しくて宝塚らしいと思っていたので、ショーの奇抜さがかなり衝撃でした。
演者については、美弥るりかさんと月城かなとさんのキャラクターが特徴があって、観ていて面白かったです。
美弥るりかさんのスイートハートは中性的で、かなり色気を振りまいていました。
男性的な部分もありつつ、女性的。
絶妙なバランスの美弥さんにしかできないお役だと思いました。(ピンクのベルベットのスーツ?がよく似合っていました。)
月城かなとさんが演じたポッキーは終始とてもかわいくて好きでした。(誘拐されたときの助けを呼ぶ声、転んだり、叩かれたりしたあとのつい出てしまう声までかわいかった)
加えていえば、王女(早乙女わかばさん)と王子(暁千星さん)もかわいかった。
特に暁さんは平和な日常に退屈している様子がところどころで表現していて素敵でした。
そして、ダンスの名手の宇月颯さんが演じたクール。
どこの部分を切り取っても、ポージング、立ち姿がカッコいい。
これが宝塚の男役っていうものなんだなと思いました。
この作品で退団されてしまいましたが、最後にカッコいい男役の姿を見れて幸せでした。
月組は上級生から下級生まで、それぞれが思い思いに演技をしているので、ふと目に入った下級生の演技がとても面白かったりします。(ポッキーが褒められるシーンで、純粋に一緒に喜ぶ人、不貞腐れる人様々)
娘役だと、結愛かれんちゃんと妃純凛ちゃんの表情が素敵だなあと思いました。
気づけば長々と、私のただの備忘録を綴ってしまいました。すみません。
BADDYは上田久美子先生がに現在の社会を諷刺した作品でもあるのですが、何も考えずに観てもなかなか面白い作品でした。