2018年前半観劇感想③
社会人になってから、時が経つのが本当に速い、(皆さんいつ家事しているんだ……)と思うことが多いのですが、この12月は師走という名前の通り、さらに時間の速さを感じることになりそうです。
それでは、早速
2018年前半に観た宝塚歌劇団月組公演 ショー BADDYについて早速語りたいと思います!!!!
正直、
ショー『BADDY』の衝撃が強すぎて、1幕の劇 カンパニーの記憶が吹っ飛びました……。(カンパニーに備えて、原作も読んでいたのに感想が少ないのはBADDYのせい)
演出家の上田久美子先生の作品が好きで、演目が発表されてから絶対観に行きたいと思っていたのですが、想像の斜め上をいく作品でした。
ただ、ただ、衝撃的でした。
宝塚歌劇では珍しいストーリー仕立てのショーだったのですが、珍しいといっても『ノバ・ボサノバ』等があるので解説を読んだときはここまで衝撃を受けるとは思っていませんでした。
まず、演者のヴィジュアルがまるでアニメに出てきそうなくらいファンシー。
とにかくみて頂きたい。
魔法少女のような捜査官グッディ、ジェンダーフリーな長髪の怪盗スイートハート、重力に逆らった髪型のグッディの仕事仲間の眼鏡くんポッキー、そしてまさかの宇宙人。
主役の大悪党バッディが一番普通かもしれないです……。(女性がするにはかなりの短髪ですが)
そして、衣装も絶妙な加減でかわいい。
色彩が鮮やか。
どの衣装も素敵でとても目の保養でした♡(特にトップ娘役が演じるグッディのお衣装はかわいいものばかりでした。一番初めのもふもふのスカートがかわいかった。)
いつか、上田先生でクラシカルなショーの演出も見てみたいです。(どんなお衣装になるのか見てみたい)
そして何より印象に残ったのは、怒りのロケットとパレードでしょうか……。
ロケット(ラインダンス)は掛け声をかけつつ、いつも笑顔で行うものとイメージがありましたが、そのイメージを破り、怒りの表情で、思い、感情を叫び歌い続ける。
迫力がありました。
このようなラインダンスの在り方もあるのだな……、と目から鱗でした。
印象に残ったもう一つ、パレード。
宝塚歌劇では2幕の終わりにパレードがあります。
このパレードとは、あの宝塚といえば!!の大きな羽を背負って大階段から降りてくることです。
今回のショーではこの羽を天使の羽に見立てています。
(パレードはストーリーのなかで登場人物全員が爆発に巻き込まれて死んでしまい、天国に行ったあとという位置づけになっています。ここだけ読むと、かなりぶっ飛んだショーですよね……)
さすが、羽を背負うことにも理由を求めるのか上田先生と驚きました。
従来の宝塚のショーの構成は崩さず(銀橋を渡る中詰め、ラインダンス、デュエットダンス、パレード)、けれども宝塚らしくはない、なかなかの冒険作でした。
観劇後、友達とずっとBADDYについて語っていました。
衝撃的で中毒的なショーです。
上田久美子先生の初めてのショー作品ということでかなり楽しみにしていたのですが、想像以上に奇抜で驚きました。
上田久美子先生は今までミュージカルの脚本、演出をされていましたので、BADDYが初めて手がけたショー作品となります。上田先生のミュージカル作品はどれもストーリーに破綻がなく、最後に少し寂しい気持ちになります。ただ、その寂しさがとても美しくて宝塚らしいと思っていたので、ショーの奇抜さがかなり衝撃でした。
演者については、美弥るりかさんと月城かなとさんのキャラクターが特徴があって、観ていて面白かったです。
美弥るりかさんのスイートハートは中性的で、かなり色気を振りまいていました。
男性的な部分もありつつ、女性的。
絶妙なバランスの美弥さんにしかできないお役だと思いました。(ピンクのベルベットのスーツ?がよく似合っていました。)
月城かなとさんが演じたポッキーは終始とてもかわいくて好きでした。(誘拐されたときの助けを呼ぶ声、転んだり、叩かれたりしたあとのつい出てしまう声までかわいかった)
加えていえば、王女(早乙女わかばさん)と王子(暁千星さん)もかわいかった。
特に暁さんは平和な日常に退屈している様子がところどころで表現していて素敵でした。
そして、ダンスの名手の宇月颯さんが演じたクール。
どこの部分を切り取っても、ポージング、立ち姿がカッコいい。
これが宝塚の男役っていうものなんだなと思いました。
この作品で退団されてしまいましたが、最後にカッコいい男役の姿を見れて幸せでした。
月組は上級生から下級生まで、それぞれが思い思いに演技をしているので、ふと目に入った下級生の演技がとても面白かったりします。(ポッキーが褒められるシーンで、純粋に一緒に喜ぶ人、不貞腐れる人様々)
娘役だと、結愛かれんちゃんと妃純凛ちゃんの表情が素敵だなあと思いました。
気づけば長々と、私のただの備忘録を綴ってしまいました。すみません。
BADDYは上田久美子先生がに現在の社会を諷刺した作品でもあるのですが、何も考えずに観てもなかなか面白い作品でした。