続きが読みたくて、でも読めない本
続きが読みたくて、でも読めない本はありますか?
読みたいのに読めない……。
私にとってそれは作者が執筆途中に亡くなってしまった未完の小説以外今のところありません。
未完の小説以外でそんな複雑な本にこれからの人生で出会うことになるかはわかりませんが、もしそんな本があるという方がいらっしゃったら、是非その話を聞いてみたいです。
今回のブログは私の続きが読みたくて、でも読めない本を1つ紹介します。
初めて金色夜叉を知ったのは、小学生のときで漫画のなかでした。
確かサザエさんだったと思います。
男性(貫一)が女性(お宮)を下駄で蹴り飛ばすという金色夜叉の有名な場面を真似をしている様子が描かれており、漫画の話はほのぼのしていましたが一体何を真似しているんだ?と強烈に印象に残りました。
月日が経ち、中学校の国語便覧の中でその場面の挿絵を見つけ、作品名を知りました。
金色夜叉〈こんじきやしゃ〉
カッコいい名前だと思いつつも、手は伸びず。
ようやく読んだのは高校生のとき。
入学時に買ってもらった電子辞書で文学作品が読めることに気づき、収録されている文学作品の名前に『金色夜叉』を見つけ、読んでみることにしました(世界史の時間に……先生ごめんなさい)。
作者である尾崎紅葉が亡くなり未完であることを知りながら読んだのにも関わらず、尾崎紅葉が完結できず亡くなったことに、ただひたすらショックを受けました……。
尾崎紅葉の文章がとても綺麗で読みやすく、そして話がわかりやすかったので100年以上前に書いた作品とは思えず、とても感動したこと覚えています。
当時文学について詳しく学んでいたわけでもないので(そして今もです)、小説を読み、ただ面白かった……そして続きがないのが辛いという感想を持ったというだけの話なので、オチも何もないブログで大変申し訳ありません。
ただ、今回ブログを書くにあたって『金色夜叉』、そして作者である尾崎紅葉について調べました。(恥ずかしながら、尾崎紅葉ついては名前ぐらいしか知らず)
そこで初めて『金色夜叉』の種本がバーサ・クレイの『女より弱きもの』であること、三島由紀夫がこの小説について評していることや、小説もとになった出来事、小説メモなどを知りました。
簡単にインターネットで情報を知ることができる今ですが(上記の事柄についてはウィキペディアに書いてある)、それらの文献について目を通し、再びを本を読めば新たな発見や魅力に気づくことができるのではないか、とわくわくしています。
読書はただ文章を読み、その世界に没入していくこともよいですが、作者や当時の情勢を踏まえて読み、その意図について考えて読むのもまたよいと思います。
私はどちらかというと、前者で本を読むことが多いのですが、
大人になった今、この金色夜叉に関しては
種本やこの作品についての評論を読み、再読して高校時代と違う視点から、そして同じように未完の作品であることを憂いたいなあと思います。